スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:-- | スポンサー広告 | edit | page top↑

官能の定義とは「Wファンタジー」を読む。

こんな題名にして大丈夫でしょうか。(笑)

ブロ友さんが回してくれました。
「Wファンタジー」村上由佳著
以前確か
「王様のブランチ」で特集があり
村上由佳さんのインタビューを見たことを記憶しています。
彼女のそれまでの作品は純愛小説なのですか?

私は読んだことがないのでわからないけれど、
彼女はずっと田舎暮らしを楽しみ野菜を育て動物を可愛がりのんびりとした毎日を過ごしていたそうですが、
この作品を書くに当たりBARのような暗いインテリアの部屋で都会暮らしを始めたのか…
都会暮らしを始めて書く気になったのか…
そこはよく覚えてません。
とにかく違う環境の下で今までの自分を越えたものを書きたいと思ったらしい。
彼女は性に関して一種のコンプレックスのようなものがあってずっと言及することを避けてきたけれど
自分の嫌な部分に向き合ってみたかった…確かそんなことを言っていたかなぁ。
この小説を書くにあたってストレスで10kg太ったって話していたように思います。
私はそのインタビューを聞きながら彼女のプロ根性っていうか…書くことに対する凄まじい執着とか執念を感じて、私は絶対物書きには向いてないなと思ったことを覚えています。

さて。
こんなインタビューを踏まえて。
縁あって私のもとに届いた本読みました。
かなり激しい描写があると最初から聞いていたので心の準備万端で臨みました。
官能小説と呼ぶのに不向きな印象。
官能小説というより私小説?。
「官能」とは「五感のすべてで得られる充足感」のことらしい。
・・・とするとやっぱ官能小説といえるか・・。
世の中に出回る「官能小説」のどれくらいがその定義に当てはまるんだろう。(笑)

一言で表現するとしたら
主人公の彼女が懸命にもがきながら生きる姿を「書くこと」と「性」に焦点をあて生々しく綴った作品…って感じでしょうか。

インタビューから想像するにかなり作家自身の生き方が反映されている印象です。
確かに激しい性描写がかなり頻繁に繰り広げられます。

でも、その現場を描写することに心血を注ぐというよりは
彼女の心情の変化や戸惑い、焦り、悦び…そんなものを必死にもがきながら書いている気がする。
結果、実に生々しい現場描写です。
が、正直なところ、現場シーンは普段読んでいるものとさほど変わらない気がする。(笑)
普段読んでるのかって?
私が読んでいるそういう現場があるのはびょん創作だけです。(笑)
とはいえ、確かに勢いがあって一気に読ませます。
あっという間に終わってしまいました。

私はストーリーの中でそのシーンに必然性がないとそそられないというか。
興味がわかない。
何故そこまで細部までの描写が必要なのか…
ストーリーの中でそこに必然性を感じなければ読む必然性を感じません。

確かにこの小説はいろいろなタイプの男性に出会い、
からだを開くことで彼女は様々な自分に出会うわけですから、
充分に必然性がある…ように見えるのですが。

読んでいてふと思う。
演出家の志澤との書簡…
きりんくんとのトーク…
大林との駆け引き…私的にはそれらの描写の方が実に卑猥で(あえてエロチックとは書かない)
彼女も高揚しているし、
読み手である私もワクワクしているわけで。
じゃ現場はおまけか…といえばそんな気がしないでもない。
たぶんその高揚する部分がとても濃密に書けているから、
現場シーンが活きるのかもなぁ…などと考えたり。

ヤケに豪華なおまけだけど(笑)

結局、彼女は人間的に惹かれた人とじゃないとダメなんじゃない…。
心開いてないとカラダだって開かないんじゃない…。

といういかにもまともな結論にたどり着いたわけで。(^_^;)
惹かれる人にこんなに短期間に出会え、相手にも想われる…というのはまさに人生の転機なんでしょうか。(笑)

ドンドン惹かれる人に巡り会って脳みそがとろける快感を味わって、いい作品を残して欲しい…。
あ…フィクションだったっけ。(笑)

高遠ナツメの作品…読んでみたいです。
きっと村上由佳作品は高遠ナツメ作品に近いのかな。

いずれまたご紹介出来ればと思います。
で、ひとつ興味深かったのは志澤が
「あれは男だ」
っていう部分があるんです。

この話、冒頭から「性と生命」がブッツリ切り離されている印象。
彼女は妊娠しないって確信している?
もしくは妊娠したいと切に願っている?
彼女の快楽を追求する生活に、書きたいものを書くという欲望のそばに「生命」を産み出すことを諦めているというか…その部分だけ妙に退廃的というか。
そんな印象がありました。
植物や動物を愛する彼女…妊娠しやすい人だったらどうなっていたんだろう。
どんなに性への欲望が強くてもする度に身ごもっていたら…彼女は産むでしょ?
父が4~5人に分かれる9男8女の肝っ玉母さんになってはちまきして執筆してるだろうか…。
そしてずっとずっと恋を重ね、ことを重ね、産み続けるのだろうか…。
非現実的だ。(笑)

そういう点では感覚は男性に近いのかなぁ…。

私は彼女が男にすがる様子…実に女性っぽいなぁと思うんですけどね。

この本
官能小説を楽しむというより物書きのあがきというか、情熱、執念を思い知らされる作品でした。

やっぱり「書く」って何かしら自分をさらけ出す作業なんでしょうね。
たくさんのものを書くにはそれだけ引き出しというか…書き手にキャパシティが必要なんだろうなぁ…。
今私きっと空っぽなんだ。(笑)
こんなちっぽけなお猪口な私ですが、そんなことを思ったりします。
お猪口をどうやっていっぱいにするか…今もがいているところです。(笑)
でも書くのは楽しい。
だからこんなに駄文をまた長々と書いてしまった。(^_^;)
お付き合いありがとうございました。
スポンサーサイト
10:14 | 読書 | comments (3) | trackbacks (0) | edit | page top↑
罪は償えるのか。「重力ピエロ」と「告白」を読む。 | top | 母は強し「チェンジリング」を観る

Comments

# 確かに物書きのあがき・・・
こんばんは。
私、自分の創作には、多分、これからもエロ描写は取り入れる予定なんで、SEXにいたるまでの彼女と男とのやりとり、そして現場のその描写に惚れたってのがほんとのとこかな。
びょん創作を書いてる人は趣味とは言え、恐ろしく真剣に取り組んでると思うのよ。私以外の方々も。もちろんharuさんも。
そんな中で、エロ描写の場合、あ~現場さえ写実すりゃいいんじゃなくて、
気持ちの移り変わりをすご~く丁寧に書くって
こういう感じね~・・・って読んでたわ。
そこにいたるまでのプロセス。
だって読み手を離さないんだもの。
それだけで読み物として私は○。
この小説、ほんと私小説とか言われてるよね。
週間文春?連載時はもっともっと私小説風だったと聞いたわ。
どちらにしても、こういうのを書かせる彼女の状況、心情、うかがいしれませんが、何かあったんだろうね。一皮むけたかったのか、叫びたかったのか。

書くことはどんなフィクションだって自分が投影されてると思う。
全部出すか、あえてそれを隠すか、どっちにしろ、
相当自分と向き合ってると思うわ。(私の場合だけどね)
これからも奇麗事しか書かないだろうけど(笑)
いろんなとこに自分が入ってるだろうな。多分。

彼女は完全に不妊の烙印押されてるんだよね。
治療してないだけで。
万が一、誰かの子供を妊娠したら、彼女、相当変わってたような気がする。生殖のことは頭にないから、突き抜けてるような気がする。
「あれは男だ」って言ったシザワは逆に彼の言う「女ってこういうもんだ」みたいな感覚がかいまみえて、奈津はあれだけみっともなくおいすがるタイプなのに、ぺろっと舌を出してその男を踏み台にして?別の男に行くってのを感じたんだろうか。
「いいホン書けよ」って言いながらも、
どこかで近づいてくる怖さも知ってるみたいな感じ。
久々長編読んだけど、これは面白かったわ。
haruさん・・・よく遊び、よく遊ぶ日々の中で、引き出し誰よりもたくさんもってるじゃない!(笑)
書くでしょう。近いうちに。何かが背中押すの待ってるだけだよ。

あ~無駄に長いね。これも。(笑)
読み流して。



by: じゅの0712 | 2009/04/12 00:29 | URL [編集] | page top↑
#
じゅのさん、コメありがとうです。
自分の書きたい思いを半分も書けなかった気がして
気になって珍しく何度もこの家を覗いておりました。読んでくれてありがとう。
そうなんですよ。
エロ描写?そうそう。
あそこだけ切り取っても私は全く萌えない。

>気持ちの移り変わりをすご~く丁寧に書くって
こういう感じね~・・・って読んでたわ。

そうそう。この作品の凄いグイグイ引っ張られるのはそこなんだと思います。

村上女史の「書くこと」に対する執念っていうか。
夕鶴のつうっぽいなぁ~って。
あの戯曲を後半出すところなんて憎い演出だって
思って読みました。

確かにどんな形であれ自分の書いたものには自分の影が見える気がします。
それは私の感覚としてはわが子を見ている感じに近いかな・・・。
出すつもりないのに出ちゃってるみたいな。(^_^;)
私はたぶん隠したいタイプなんだと思うんですが、
その分鬱屈している気がします。
そういう点では何だかお怖れ多いんですが村上女史の「つき抜けないと先がない」っていう感覚がわかる気がするんです。
たぶん彼女も隠したいタイプだったんじゃないかな・・まだ過去作読んでないので
そんな気がするだけなんですが。

そうそう。
彼女妊娠していたらきっと全く違う人生だっただろうって思うんですよね。
きっと書くものも全く違う路線で
それはそれで納得できる何かを手に入れることができた気がするんです。
どっちがいいとかじゃなくて
全く違うものが生まれていたのかも・・
と思うとそれも読んでみたい。
このあたりに関してはとてもこんな公共の場で発表できないような感想もあり(笑)

で、志澤ですが。
あの人たぶん凄く優しいですよね。
冷たそうだけどきっと彼特有の愛なんだと思うんですよ。
繊細なのがお好みだったようだし。
たぶんあの人は凄く繊細な人なんじゃないだろうか・・。
私は好きです。
あんなこと言われたらホイホイ堕ちてしまうかもしれない(爆)

引き出しですか・・。
最近出してないので入れる一方ですが
溜まる気がしないんです。
どこかに穴でも空いているんじゃなかろうか。

これ読んでいて
毎晩自慰を繰り返す奈津の姿と必死にパソに向かう彼女の姿がダブっていて。
ある意味書くということは自慰行為なんじゃないかって思ったりしてます。
そう考えるとびょんを書きつづけてきた私は
やっぱり不貞を働いているんだろうか(笑)

本当にいろんなことを考えています。
本が手元になくなっても頭の中ぐるぐるしてます。

by: じゅの0712さんへ | 2009/04/12 01:31 | URL [編集] | page top↑
# 管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: | 2009/04/12 13:41 | URL [編集] | page top↑

post a comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

この記事のトラックバックURL:
http://harunoshin1227.blog94.fc2.com/tb.php/60-7015055b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。